「吾輩は猫である」

  挿画でつづる漱石の猫 I AM A CAT illustrated
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《第一》 子供のごときは2


画/中村不折


 吾輩は人間と同居して彼らを観察すればするほど、彼らはわがままなものだと断言せざるをえないようになった。ことに吾輩が時々、同衾(どうきん/一緒に寝る)する子供のごときに至っては言語同断である。自分の勝手な時は、人を逆さにしたり、頭へ袋をかぶせたり、放りだしたり、へっつい(かまど)の中へ押しこんだりする。しかも吾輩の方で少しでも手出しをしようものなら家じゅう総がかりで追いまわして迫害を加える。この間もちょっと畳で爪をといだら細君が非常に怒って、それから容易に座敷へいれない。台所の板の間でひとがふるえていても、いっこう平気なものである。


「へっつい」
「竈津火」(へつひ)が促音化して「へっつい」になった。


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