「吾輩は猫である」

  挿画でつづる漱石の猫 I AM A CAT illustrated
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《第二》 牡蠣的主人


画/丹羽和子


 この寒月という男はやはり主人の旧門下生であったそうだが、今では学校を卒業して、なんでも主人より立派になっているという話である。この男がどういう訳か、よく主人の所へ遊びに来る。来ると、自分を思っている女がありそうな、なさそうな、世の中がおもしろそうな、つまらなそうな、凄いような艶っぽいような文句ばかり並べては帰る。主人のようなしなびかけた人間を求めて、わざわざこんな話をしに来るのからして合点(がてん)がゆかぬが、あの牡蠣的主人がそんな談話を聞いて時々あいづちを打つのはなおおもしろい。


「牡蠣的」
英語の「oyster」(牡蠣)には、「極端に寡黙な人」の意もあり。



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