「吾輩は猫である」

  挿画でつづる漱石の猫 I AM A CAT illustrated
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登場猫(人物)紹介

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瑞気集門タイトル福


吾輩

「吾輩」
猫ながら、みごとな博識っぷり&哲学的な思想の深さには敬服するばかり。

「吾輩はペルシア産の猫のごとく、黄を含める淡灰色に漆のごとき斑入(ふい)りの皮膚を有している」とあるので、安直な語感からは、薄汚れた白地に焦げ茶のぶち模様の猫と思われるのですが、どうもシマ猫のようであります。詳しくは、「吾輩のガラについて」で。


個人的には、ほんのり「ぶさ猫」テイストもある角川文庫版表紙(わたせせいぞう氏・画)の「猫」のイメージでずっと読んでおりました。

吾輩2
角川文庫 昭和62年6月10日 改版56版


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珍野ロゴ
クシャミ

珍野 苦沙弥(ちんの くしゃみ)
「吾輩」の飼い主で中学の英語教師。偏屈なひきこもり性格で胃が弱い。漱石自身がモデルとされる。




細君

おさん

珍野夫人
特徴:ハゲがある。



おさん
珍野家の下女。
(お手伝いの女性)
『おさん』は、
台所で働く下女の通称。
『おさんどん』から。
名前は『清』。

娘たち

珍野家の子女
左から、
とん子 すん子 めん子


雪江
雪江
苦沙弥先生の姪の女学生。
かかとのまがった靴、紫色の袴、
そろばん珠のようにふっくら結った髪型の、
当時の「イマドキの女学生」。
折々の日曜に苦沙弥先生宅にやって来ては
苦沙弥先生と喧嘩をして帰って行くおきゃんな少女。



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猫知己
クロ

三毛子

車屋の黒(クロ)
人力車引きの主人の姿を投影したであろう、べらんめえ口調の江戸っ子な猫。いわゆるボス猫。


二弦琴のお師匠さんちの
三毛子(みけこ)

夭折の美少女猫。

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太平の逸民ロゴ
迷亭

迷亭(めいてい)
苦沙弥先生の友人の美学者。ホラ話で人をかついで楽しむのが趣味。四六時中、酩酊(めいてい)しているような人柄。(美学者・大塚保治がモデルともいわれるが漱石は否定したという)
水島 寒月
(みずしま かんげつ)

理学者で、苦沙弥先生の元教え子。典型的理系思考の不思議ちゃんタイプ。寺田寅彦がモデルといわれる)
寒月

おちこち

越智 東風
(おち とうふう)

詩人で、寒月の友人。芸術に傾倒しすぎて、ちとズレた思考の人。
本人は自分の名前は「とうふう」ではなく、あくまで「おち こち」と訓読することを主張。(「遠近」(おちこち)という成語がある)


八木 独仙
(やぎ どくせん)

ヤギヒゲ禅語魔神。
『電光影裏に春風をきる』が十八番の苦沙弥先生の同窓。
ヤギヒゲが特徴の哲学者然とした人物で、耳に触りのいいいかにもな『東洋流 消極的の修養』論と禅語を振りかざしている。が、今ひとつ悟りきってはおらず、『無覚禅師』(覚(さと)ることなしの意)というあだ名を頂戴している。迷亭曰く「禅坊主崩れ」。



八木独仙
実業家
鼻子

金田 鼻子(かねだ はなこ)
「鼻子」は、『吾輩』による命名。本名不詳。
向こう横丁の角地にお屋敷を構える実業家・金田氏の奥方。苦沙弥先生を目の敵にし、札びらで人の頬を叩くような真似ばかりしている。
金田(かねだ)
鼻子夫人の夫君。
似たもの夫婦。
金田

金田令嬢


金田富子
金田家のご令嬢。
寒月との縁談話がある。
こんなのを嫁にしたら、さだめし難儀な夫婦生活であろうと思わせられる高飛車お嬢様。
鈴木 藤十郎(すずき とうじゅうろう)
学生時代に苦沙弥先生たちと同じ釜の飯を食っていた、かつての仲間。現在は、実業家街道驀進中。
苦労と心配と争論なく物事が進むのを望む極楽流の人。極楽主義によって金時計をぶら下げ、極楽主義で金田夫妻の手下になっている。

鈴木藤十郎

三平多々良 三平
(たたら さんぺい)

苦沙弥先生宅の元書生。現在は六つ井物産勤務。
唐津(佐賀)訛りの天衣無縫なタイプ。「吾輩」を猫鍋にして食べようと提案した。

しかし、最後の最後で、ちゃっかり実業家としてはうまいことやって、このキャラクターに対する漱石の愛憎はフクザツそうだな、との感慨アリ。


ライン


その他ロゴ

迷亭の伯父さん迷亭の伯父さん
(めいていのおじさん)
江戸時代の化石的人物。
洋服を着ていようが、白髪にちょんまげを結い、鉄扇を肌身離さぬ、武士な心意気の礼儀正しいご老体。

甘木先生
(あまきせんせい)

珍野家かかりつけの医者
甘木

古井武右衛門

古井 武右衛門
(ふるい ぶえもん)

すこぶる巨大なイガグリ頭が特徴の苦沙弥先生の教え子。
学校で苦沙弥先生をからかったり困らせたりしている問題児。なのに、その自らの行いの悪さは棚にあげて、困った時には助けてもらおうという調子のいい思慮足らずな学生。


素材/篆刻素材AOI


『猫』について about I AM A CAT | permalink | comments(7) | - | - | - |
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この記事に対するコメント

苦沙弥先生のモデルは漱石自身であると書かれていますが、
同期生で友人狩野亨吉がモデルとも言われますが、いかがでしょうか。
k1 | 2008/09/27 12:56 PM
もう少し苦沙弥の「〜なため、嫌われている。」と言うのを
かいてほしかったでやんす。(読書感想文の参考にする為に

とけい | 2009/08/08 5:01 PM
読書感想文の参考のため閲覧していただけるとは、光栄です。
とけい さんは高校生、中学生、いや小学生でしょうか ??
今年、「猫」は学校の課題図書になっているのかな。このコメントにレス貰えるなら、参考のため教えてほしいです。

さて、ここからは J・KOYAMA の感想です。
とけい さんの書く、苦沙弥先生が「〜なため、嫌われている。」という状況は、物語の中にさほど存在していないと思いますよ。
トークの達人と言うべき、金とヒマありの友人・後輩がひっきりなしに訪れるのがその証拠。嫌われている人のところには、こんなに人が来ないでしょう ?
ただ苦沙弥は「ちょっとばかり偏屈だったため、教え子・寒月君の縁談で訪れた、キライなタイプの“成金で有力者”金田氏に失礼な態度をとって怒らせてしまい、懲らしめられる=イジメられる。」というのが、「嫌われている。」ように思えるのです。
これが「猫」中盤の数章を使ったストーリーですね。

もっとも金田氏だって、怒りにまかせ速攻で苦沙弥をイジメたわけではありません。自分の実力に自信を持ってますからね。
配下で苦沙弥の同級生・鈴木君を差し向け、「長いものには巻かれろだ、上手くやれよ」というニュアンスで諭させているのにご注意下さい。
「もっとオトナになれよ」って言われたことはありませんか ?
オトナになると、有力者に簡単に従って…つまり長いものに巻かれて、意志をアッサリ変えてしまう人が多いことに気が付くと思います。
ですが、偏屈な苦沙弥はそうならない…ま、あっけなく態度をひるがえす人物が主人公なら、このエピソードは成立しませんがね。

「ダメだこりゃ」ついに金田氏は本格実力行使に出ます。聞こえよがしの苦沙弥への悪口、学校の同僚を使ってのからかい。
これが効かないので、ついに学生を大量動員して苦沙弥の家を攻撃、揶揄・ボール責めに。
さすがの鈍感苦沙弥も参ってしまい、金田氏も満足してイジメを止めます。

まだまだ呑気な明治時代で良かったですね。
現代なら、有力者を怒らせた一介の教師・苦沙弥の廻りで「採点したテスト用紙が紛失」「生徒の個人情報を入れたノートパソコンが車から盗まれる」級の事件が起こり、彼は即失職するかもしれません。

ところで、とけい さんの学校では文の語尾に「やんす」を付けるのが流行っていますか。
なつかしい響きですね、『ど根性ガエル』って知ってます (笑) ?
J・KOYAMA | 2009/08/09 1:44 PM
吾輩は猫であるにこんなに登場人物が登場するなんてこれから頑張って読み進めるのが楽しみです。
現代仮名遣いじゃないのですが・・・。
この作品は我輩を通して人間社会を批判したり風刺したりしようと試みるおもしろい作品ですからねでも扱われても一部
とかつまらないですよねこういうサイトを今日見つけること
が出来て良かったです!!!!このサイトを参考にしながら
頑張って読むぞ!!!!!
鰹のたたき | 2010/07/09 8:05 AM
鰺のたたき様、初めまして。

他にも「猫」の全文が読めるサイトはあろうかと思いますが、凄い意気込みで当サイトをお読みいただけること、光栄に思っております。

コメントをたくさん賜っているようですが、感想なのか、質問なのか、「ヨシッ !」という感じの“納得”の表現なのかが計りかねます。
最初のコメントのみ公開させていただきました。
もし質問なのでしたら、時間はいただきますが誠心誠意お答えさせていただきますので、その旨お書き添え下さいませ。

では、よろしくお願い致します。

                  J・KOYAMA
J・KOYAMA | 2010/07/09 5:41 PM
NHKドラマ「漱石の妻」がきっかけで鳥越碧さんの作品を読み、さらに数十年ぶりに夏目漱石を読みました。
「坊ちゃん」はやはりおもしろいですね。それから「漱石の思い出」を読み、「夢十夜」「草枕」〜いいですね。
そして、「吾輩は猫である」の蘊蓄に富んだ文章を時間をかけて読んでいます。登場人物の関係が混乱していた時に、こちらの資料に接して大変勉強になりました。深く感謝いたします。
 ひとつ、越智東風の説明で、おちこち・・・遠近(おちこち)という成語々々・・・の説明がありますが・・・、
「東風」は「こち」と読みますよね・・・・
菅原道真の和歌に、
「東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花主(あるじ)なしとて春な忘れそ」というのがあります。

ぼくは、肺炎をこじらせて半年入院、一時は危篤状態となり身内のものが駆けつけましたが、なんとか生還。
八十過ぎの老骨です。昔、高校国語教師。
m・nakagaki | 2016/11/11 1:43 PM
m・nakagaki様、はじめまして。
コメントありがとうございます。
たぶん、今までコメントを頂いた方の中で最高齢だと思いますが、パソコンを苦もなく操られている様子。
目も頭脳も老いておられないとは、真に羨ましい。
当ブログを目に留めて頂き、嬉しく思います。

元・国語教師の方が病を克服した後、自分の趣味として漱石を再読するという情景を想像し、少し和みました。
お元気で、何かありましたら またコメント下さい。
J・KOYAMA | 2016/12/01 5:55 PM
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