「吾輩は猫である」

  挿画でつづる漱石の猫 I AM A CAT illustrated
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《第四》 屋根に草が生えたうち


画/近藤浩一路

「ええ。あんな汚ないうちは町内に一軒しかないから、すぐわかりますよ。あ、そうそう。それでわからなければ、いい事がある。なんでも屋根に草が生えたうちを探して行けば間違っこありませんよ」
「よほど特色のある家ですな。アハハハハ」
 鈴木君が御光来になる前に帰らないと、少し都合が悪い。談話もこれだけ聞けば大丈夫、沢山である。縁の下を伝わって雪隠(せついん/便所)を西へまわって築山(つきやま)の陰から往来へ出て、急ぎ足で屋根に草の生えているうちへ帰って来て何食わぬ顔をして座敷の縁へまわる。



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