2007.02.08 Thursday
《第五》 終
※第五章は雑誌「ホトトギス」第八巻第十号(明治38年7月1日 ほとゝぎす発行所)に掲載された。タイトル・署名は「吾輩は猫である(五) 夏目漱石」。
なお日本海海戦は明治38年5月27・28日の出来事であり、本作が時事ネタにいかに敏感であったかが解る。
これまでの連載分、第一章から五章迄は纏められ、「吾輩ハ猫デアル」として大倉書店・服部書店より明治38年10月6日に刊行。初版が二十日で売り切れるベストセラーとなった。
橋口五葉(清)の装幀、中村不折の挿画も評判を取ったが、その後漱石は中村が“無暗に法螺を吹くから近来絵を頼むのがいやになりました”という心境に至り、続く中編・下編の挿画は木魚=浅井忠に交代している。(J・KOYAMA)