「吾輩は猫である」

  挿画でつづる漱石の猫 I AM A CAT illustrated
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《第九》 主人はあばた面6


映画(1936) より

 彼はあばたに関する知識においては決して誰にも譲るまいと確信している。せんだって、ある洋行帰りの友人が来た折なぞは、「君、西洋人にはあばたがあるかな」と聞いたくらいだ。するとその友人が「そうだな」と首を曲げながらよほど考えた後で「まあ、めったにないね」と言ったら、主人は「めったになくっても、少しはあるかい」と念を入れて聞き返した。友人は気のない顔で「あっても乞食か立ちん坊(明治から大正初期、坂の下に立って荷車や人力車の後押しなどをして金をもらっていた人)だよ。教育のある人にはないようだ」と答えたら、主人は「そうかなあ、日本とは少し違うね」と言った。


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