「吾輩は猫である」

  挿画でつづる漱石の猫 I AM A CAT illustrated
<< September 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

《第十》 それは雑布よ


画/小沢良吉

 一番小さいのがバケツの中から濡れ雑巾を引きずり出してしきりに顔中撫でまわしている。雑巾で顔を洗うのはさだめし心持ちが悪かろうけれども、地震が揺れるたびに「おもちろいわ」と言う子だから、このくらいの事はあっても驚くに足らん。ことによると八木独仙君より悟っているかもしれない。さすがに長女は長女だけに姉をもってみずから任じているから、うがい茶碗をカラカラカンと放り出して「坊やちゃん、それは雑巾よ」と雑巾をとりにかかる。


第十章 CHAP.10 | permalink | comments(0) | - | - | - |
【前のページ】<< 《第十》 風呂場は繁盛 | 【TOP】 |《第十》 いやーよ、ばぶ >>【次のページ】



この記事に対するコメント

コメントする










RECENT COMMENTS
MOBILE
qrcode
PROFILE