「吾輩は猫である」

  挿画でつづる漱石の猫 I AM A CAT illustrated
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《第拾一》 寒月の鰹節


画/柳井愛子

 床の間の前で迷亭君と独仙君が一生懸命に勝敗を争っていると、座敷の入口には寒月君と東風君が相並んで、そのそばに主人が黄色い顔をして座っている。寒月君の前に鰹節(かつぶし)が三本、裸のまま畳の上に行儀よく排列してあるのは奇観である。
 この鰹節の出処(しゅっしょ)は寒月君の懐で、取り出した時はあったかく手のひらに感じたくらい裸ながらぬくもっていた。主人と東風君は妙な目をして視線を鰹節の上に注いでいると、寒月君はやがて口を開いた。


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