「吾輩は猫である」

  挿画でつづる漱石の猫 I AM A CAT illustrated
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《第拾一》 灰吹きなどは



「まだたのもしい事がある。あすこには灰吹き(はいふき/タバコ盆についている、タバコの吸い殻を吹き落とすための竹筒)がないそうだ。僕の友人があすこへ奉職をしている頃、吐月峯(とげつほう/静岡市にある山の名。連歌師・宗長が、ここの竹林の竹で灰吹きを作り、吐月峯と名づけたところから、そこの竹で作った灰吹きの銘となる)の印のある灰吹きを買いに出たところが、吐月峰どころか、灰吹きと名づくべきものが一個もない。不思議に思って聞いてみたら、灰吹きなどは裏の藪へ行って切ってくれば誰にでもできるから売る必要はないとすまして答えたそうだ。これも質朴剛健の気風をあらわす美譚(びだん/「譚」は、「話」「物語」の意)だろう。ねえ、独仙君」


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