「吾輩は猫である」

  挿画でつづる漱石の猫 I AM A CAT illustrated
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《第一》 池のそばで


画/下高原千歳

 吾輩は池の前に座ってどうしたらよかろうと考えてみた。別にこれという考えも出ない。しばらくして、泣いたら書生がまた迎えに来てくれるかと考えついた。ニャー、ニャーと試みにやってみたが誰も来ない。そのうち池の上をさらさらと風が渡って日が暮れかかる。腹が非常に減ってきた。泣きたくても声が出ない。しかたがない、なんでもよいから食い物のある所まで歩こうと決心をして、そろりそろりと池を左にまわりはじめた。


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